FP1級(学科)は「不動産分野」から勉強を始めるべき4つの理由【マインドマップ付き】

はじめまして!金融系ウェブ編集者の赤上と申します。

2021年5月FP1級学科試験に3度目の挑戦でようやく合格することができました。

僕自身、悔しい思いをたくさんしてきたので、苦戦している人の目線で役に立てることがあるんじゃないかと思ってこの記事を書きました。

・問題集の最初の10ページでつまずいている人
・問題集を何回やっても忘却曲線から抜け出せない人
・基礎編でメンタルがボロボロになっている人
・問題集を3回以上やっても落ちた人
・解けるようにはなったんだけど理解できているか不安な人
(すべて過去の自分に当てはまります)

このうちどれか一つでも当てはまった人は最後まで読んでいただけると嬉しいです。

そして、今回はFP1級(学科)はどの分野から始めるべきかというテーマについてお伝えしたいと思います。

ネット上で情報収集していると色々な意見がありますが、

・全分野に関わるタックスプランニングから始めた方がよい
・点が取れる分野は後半に集中しているから相続から始めた方がよい
・金融機関にいる人は馴染みのある金融資産から始めると良い

私は「不動産分野」から勉強を始めることをおすすめします。なぜなら全分野の中で最も「理解しながら」進めやすい分野だからです。その理由を4つお伝えします。

理由①全分野の中で動画コンテンツが最も充実しているから

(↑FP1級にも同じことが言える。基本を知っているか=動画学習で理解を深めているか、要領がいいか=応用編から勉強しているか)

引用:【神回】ド底辺から楽に、短期で法令上の制限を攻略した方法をお話します。宅建の都市計画法や建築基準法を確実に仕上げるコツ2020(マジでイケてる宅建講座【ゆーき大学】)

不動産分野は宅建試験と半分以上被っているため、YouTubeの動画コンテンツが非常に充実しています。

宅建チャンネル

マジでイケてる宅建講座【ゆーき大学】
棚田行政書士の不動産大学【公式チャンネル・宅建】
宅建吉野塾

FPチャンネル

おーちゃん【1級FP技能士】TV
ほんださん 【東大卒1級FP】
せいのFPチャンネル
※各動画の実践的な使い方は別記事で紹介します。

これらのチャンネルは分かりやすくて「本当に無料でいいの?」という内容がバンバン出てきます。他のFP分野でここまで充実しているものはないと思います。

僕はスキマ時間に繰り返しこの動画を見ることで、理解力を高めました。

理解力を高めた後に問題集を解き始めたら「今までの苦労なんだったんだ?」ってぐらい効率が良くなり、結果的に勉強がはかどるようになりました。

この試験は「どれだけ飽きないように工夫して勉強できるか」継続力が重要になってくるので、不動産分野で自信をつけてから、他分野に行くのが良いと思っています。

理由②不動産分野は応用編の中で最も出題パターンが少ないから

FP1級(学科)に合格できるかは応用編の結果にかかっているというのは知っていると思いますが、この中で最も点が取りやすい分野はどこでしょうか?

自分なりの考えをまとめてみました。

社会保険分野:遺族年金や加給年金の判定が毎回不安になる。
金融資産分野:期待収益率の意味不明な計算が出るとたまに計算ミスをする。
タックス分野:所得税の計算問題が出たときは面倒。ひっかけがよくある。
相続分野:非上場株式の計算は暗記要素が強いのと、相続税の計算で計算ミスしやすい

これらの部分は毎回嫌になっていました。

一方で不動産分野に関しては、

・前半は、必ず建ぺい率と容積率が出るから対策しやすい
→建ぺい率と容積率は動画コンテンツが充実しているので、理解しながら解ける。

・後半は、特例制度を用いた譲渡所得の計算のみで、本質は一緒なのでパターン化しやすい
→譲渡所得は「収入 ー 費用」の考え方が頭に入っていれば理解しやすい。

応用編の不動産分野は、毎回出るパターンが決まっている上に動画学習で理解しながら勉強しやすいので、やりやすいのかなと思っています。

理由③基礎編の中で「串」でまとめて覚える勉強法が効果的な分野だから

(↑僕が作った表(マインドマップ)はこちらから見ることができます。 )

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この勉強法は北河内学@窓際バンカーさんの<資格学習の掟>~大量の暗記項目はマトリクス表で横串を刺し、まとめて理解‼️~をもとに実践してみました。
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応用編が解けるようになってきたら基礎編の勉強に入ると思いますが、FP1級の基礎編は「すり替え」が多いです。

すり替えとは、例えば

<相続税の取得費加算の特例>
相続または遺贈により取得した資産を、当該相続の開始があった日の翌日から「3年」を経過した日以後に譲渡した場合は、本特例の適用を受けることができない

3年ではなく「居住の用に供さなくなった日の3年後の年の12月31日まで」が正しいのですが、3000万の特別控除と「期限」の観点からすり替えているというわけです。

なので似たような法制度は「串」にしてまとめて覚えるという勉強法が有効です。

例えば、不動産譲渡に関する特例って多くて

・3000万特別控除
・空き家
・軽減税率
・買換(居住用、固定資産、立体、事業用資産)
・損益通算
・相続税取得費加算
・収容交換

なのでこれらを「併用可能か」「期限」などの観点から整理していくと、すり替えに気づきやすくなります。

また、全分野の中で似たような法制度が一番出てくるのが「不動産」です。それと同時に「すり替え」が最も多いと思います。

・不動産登記
→権利部甲と乙ですり替え

・不動産価格の調査
→相続税評価額と固定資産税評価額ですり替え

・宅地建物取引業法
→専任媒介と専属専任媒介ですり替え

・区分所有法
→定数や開催通知日ですり替え

・借地借家法
→一般定期と事業用定期ですり替え

・都市計画法
→市街化区域と市街化調整区域ですり替え

・特例制度
→前述のように期限や適用要件ですり替え

参考書と問題集とにらみ合いっこして勉強するよりも、自分なりに間違えやすいポイントを整理して勉強すると楽しくなりますし、

この勉強法は他分野にも応用ができ、出題者のすり替え意図が分かると勉強中に「ニヤリ」としてしまいます。

試験当日、基礎編で54点とれたのはこの勉強法のおかげだと思っています。見たことない問題に遭遇した時も、冷静になって簡単な問題の取りこぼしを最小限に抑えられたと思います。

由④全分野の中で2番目に情報量が少ないから

(↑テキストと問題集を積み上げるとペットボトル2/3ぐらいの高さになるという・・・)

最後の4つ目の理由は、おまけとして読んでいただければと笑。

僕の場合、参考書は自分で作ったマインドマップをメインにして、補足的に「みんなが欲しかった!FPの教科書(著:滝澤ななみ)」を使っていました。

(参考書をほとんど使っていなかった理由は、FP1級の参考書はどれも分厚くて全部覚えるのは無理だと思ったので、問題集で間違ったところを表にして覚えていました。)

このテキストなのですが分野ごとに情報量が大きく異なります。

ライフプランニングと資金計画・リスク管理:252ページ
年金・社会保険:228ページ
金融資産運用:335ページ
タックスプランニング:289ページ
不動産:205ページ
相続・事業承継:185ページ

(金融資産運用に至っては300ページを超えます。金融機関にお勤めの方は、金融資産運用から始める人が多いらしいですが、僕はやる気にならなかったです。基礎編が難しい。)

上下巻に分かれていて合計1494ページにものぼります。初めてテキスト買った人はびっくりするのではないでしょうか?

(さらに精選問題解説集は674ページあるので、合わせて2000ページを超えるという笑)

こうしてみると情報量が少ないのは不動産と相続・事業承継ですが、情報量が少ないところからやった方がモチベーションを維持しやすいのではないかという考えです。

また、相続・事業承継の方がページ数が少ないのですが、相続分野における不動産評価は不動産分野をやってから勉強した方が効率が良いかなと思いました。

最後に:「理解を伴わない暗記」は意味がない

2回の不合格を経て学んだことが、理解しないままやっても意味がないということでした。そこから確立した勉強法が以下の3つの手順です。

①動画学習で「基礎力」を付ける
②応用編を理解しながら解いて全体像を把握する
③最後に基礎編で細部を要領よく頭に入れていく

この勉強法は3回目の受験から試したので、最初からやっていればよかったと激しく後悔しています。

今回ご紹介した「不動産分野から勉強する」という勉強法は一例なので、他にもお役に立てるような情報を提供していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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