想定読者:2022年以降にFP1級実技(筆記・FP協会)を受ける方
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どうも、金融系ウェブ編集者の赤上です。
先日、FP1級(実技,FP協会)の結果が来まして無事合格していました。
学科に2回不合格になったので、実技は絶対に1回で受かってやる!という気持ちで挑んだのですが、想像以上にきつかったです。
理由としては
・学科後のモチベ維持が難しく、忘却がえぐい
・明らかに前年度よりも難易度が上がっていたこと
・年1回しかチャンスがないのでプレッシャーがすごい
などが考えられます。
8月は新型コロナの感染者が急増していて、試験前の感染は絶対に避けたかったので、家にいて精神的にもつらかったです。
資格試験は、孤独で精神的な消耗が激しいですし、FP協会(実技)は年1回しかチャンスがないので絶対に1発合格したい人は多いはずです。
少しでも来年受ける人の参考になればと思い、この記事を書いてみたいと思います。
試験数週間前から緑本を2~3周だとけっこう危険
これまでの試験傾向であれば緑本を2~3回やればよかったのですが、今回の試験に限って言えば「緑本の問題は1問も落とせない難易度」だったと思います。
問題間の難易度の激しく、2級レベルの緑本と全く同じ問題が出るときもあれば、1級学科の基礎でも難しい内容が出ます。
緑本の中から試験問題に出たものを数えるとざっくり正答率6~6.5割ぐらいになります。合格が6割なので結構ギリギリになると思います。
それ以外の問題は1級学科の基礎に出てもいいぐらいの内容なので、学科後ほとんど知識を忘れる人が大半だと思うので、学科時の貯金で戦うことになります。
なので、自分みたいにギリギリで学科突破した人は、試験中相当焦ります。自分は、変な汗が出てきました。
また、緑本は簡単だとか言われいますが本当にそうでしょうか?
300ページもある上に、学科とは違った切り口で出てくるので初見だと焦ると思います。また、緑本に収録されている論述10問も完璧にしていかないとキツイと思います。
今回は論述を緑本から出して、それ以外の問題を難易度高めにしていたと思うので、緑本の論述を捨てた人は多分受からないじゃないかと推測されます。
なので緑本を2~3周すれば大丈夫な人ってほとんどいないと思います。後述しますが、自分は、6~7周ぐらいして「ほぼ完璧!」と言える状態に仕上がりました。
論述対策は、後回しになりがちで、何度何度も箇条書きで書いて、頭に擦り込むぐらい繰り返し行ないました。
「これ本当に出るの?」「違う論述出たらどうしよう?」という不安と向き合いながら論述練習はきつかったです。
取りこぼしを許されないのが「保険証券の読み取り」
ここまでは緑本は最低限仕上げないと合格は難しいという話をしました。
では、緑本をある程度仕上げて試験に挑んだ人の中で、差が出たのはどこだったのだろうと考えると「保険証券の読み取り」だったのではないかと思います。
【保険証券の読み取りの特徴】
・配点が大きく小問3つで合計9~12点
・全分野の中で毎年必ず出題される
・引っ掛け問題が出されやすい
2021年度は、緑本出題の問題を全問当てて60~70点に着地すると予想していまして、ここで9~12点失点すると、論述が完答できたとしても、かなり際どい点数になると思います。
自分は、緑本の中で一番計算ミスが多く、何回解いても1問ミスが出るという超苦手分野でした。
2021年度は、緑本にはない新しい引っ掛けパターンの問題(被保険者が妻、色々あって最後に死亡するみたいなパターン)が出題され、試験中は変な汗が出てきました。
(被保険者が妻であることに途中で気づいて、小問1にもどり、解けたと思ったら小問1の死亡に後から気付いてパニック状態。。見直して計算ミスに1問気付き、なんとか完答)
見直しするときは、配点が大きく、よく計算ミスする「保険証券の読み取り」から始めると自分の中で決めていたので、それが功を奏したのかもしれません。
退出している人も少なく、自分は時間ギリギリまでやってました。見直しする順番は保険証券の読み取りから始めるのが良いかもしれません。
試験前に行なったこと:モチベ維持・緑本・論述対策・2級
2021年度の試験難易度を踏まえて、2022年度以降はどのような対策を行なっていけばよいのか、自分のしたことをまとめたいと思います。
学科終了後のモチベ維持は、難敵だと思います。
自分は7月ぐらいから本格的に緑本の勉強を始めたのですが、学科の知識が抜け落ちて「これ大丈夫か?」という不安がすごかったです。
しかも、学科の時の追い込みをかける気力も湧いてこず、モチベーションの維持が相当大変でした。
そこで自分が実践したことが「Twitterをやっている方とスペースで情報共有する」でした。
FP垢の方は、熱の入りようがすごくて、学科の結果が発表されていないのに緑本を買って勉強を始めている方が多くて、かなりビックリしました。
(自分は試験後1か月間は忘れたくて一切勉強しなかったです)
自分は3回目で突破したもののギリギリの129点ですし、他の人と同じスピードで始めたらダメだろうなと思っていたので、思い切ってたまに絡みのある方にスペース打診をさせていただき、色々と情報交換させていただきました。
そこで感じたのが「熱量がすごい・・・」の一言
ロジカルな論述予想、8月の時点で緑本5回以上やっている方などがいて、かなり刺激をもらえました。
そこで自分の知識の少なさ、試験への向き合い方に問題があると感じ、参加者の方に少しでも追いつこうとモチベが出たので、かなり助けられました。
スペースやってなかったら危機感も何もなかったので、本当に不合格になっていたんじゃないかと自分でそう思います。
なので、学科終了後にどうしてもモチベ維持が難しいときは、Twitterで実技を受検される方をフォローしたり、スペースをやって情報交換するとよいのではないでしょうか?
論述に至っては10回ぐらいやった方がいいと思います。
2021年は緑本からほぼ同じ内容が出て、それ以外の問題は極端に難しかったので、緑本を全問当てるぐらいの勢いで勉強しないときついです。
2021年は緑本からほぼ同じ内容が出て、それ以外の問題は極端に難しかったので、緑本を全問当てるぐらいの勢いで勉強しないときついです。
そのレベルまで持っていくために、間違えた問題だけやったとしても3回で仕上がりますでしょうか?直前期の追い込みを含めても、僕は5~7回ぐらいになるのかなと思います。
また、緑本の解説が一部分かりづらい部分があり、1級FP過去問解説(2級と3級も解説中!)~ファイナンシャルプランナー資格の過去問を無料解説~のサイトには大変お世話になりました。
論述対策:全部仕上げた上で「+α」やると安心
論述対策は何かと後回しにしがちです。
練習問題が電卓を叩いてサクサク進めるのに対し、文章を書くのでめんどくさいです。
また、「やった問題が本当に出るのか?」という疑いもあり、最後までやらない人も多いと思います。
ただ、直近3回の傾向を見ていると過去問と同じ問題が出ており、全く緑本の論述に着手しないまま試験に挑むと、不合格になる可能性が高いのではないかと思います。
自分は文章にしたことは練習中1回もなく、普段は箇条書きにして要点を抑えつつ、マインドマップで表にまとめて理解を深めるとよいのではないでしょうか。
ちなみに問題用紙には「320文字のマス」が用意されています。緑本の回答には「300文字前後」と書かれていますが、マックス320文字までしか書けないようになっています。
また、緑本の論述を仕上げたとしてもそれでも不安になる方は多いと思います。そんな方におすすめなのが「FP総論 FP協会」です。
たまためメルカリにあって買ってみたのですが、論述に出そうなところが網羅的に記載されています。
まだ出てないところでいうと「マイナンバー法」「金融商品取引法(投資運用業)」「フィデューシャリー・デューティー」が載っています。
どれだけ論述対策しても不安になるかとは思いますが、ここまでやっておけばよいのではないでしょうか。
一応2級実技も直近3回分やって挑んだのですが、一問も出なかったです。
実技の問1~2問あたりで、論述に近いテーマ(フィデューシャリー・デューティーなど)が出題されていましたが、やったとしてもそこぐらいで十分だと思います。
最後に:理不尽さは、面接>>>>筆記
最後に筆記のモチベを上げる方法をお伝えします。
先日、実技の面接を受けた方とTwitterのスペースをして、どちらの方が勉強しやすいか聞いてみたのですが、圧倒的に面接の方が難しいと感じました。
筆記受ける方は、論述で何が出るか戦々恐々すると思いますが、面接の場合は、テキストに載っていないことをその場で答える必要があります。
筆記のように後回しにして解くことができないですし、面接官によって圧迫質問されたり、試験後も自己採点できないため、モヤモヤが残るようです。
なので、合格することだけを考えるなら、筆記で受ける方が対策はしやすいと感じました。
来年(2022年)に筆記を受ける方がいたら、「理不尽さは、面接>>>>筆記」のモチベーションで受けるのも良いと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。